令和元年の5月25日から28日の日程で国賓としてトランプ大統領が来日しました。
さらにF-35Bを積んだ強襲揚陸艦ワスプも横須賀入りしました。
F-35Bを搭載予定の護衛艦「かが」を5月28日に視察しました。
目次
トランプ大統領の訪日日程
5月25日(土)
夕方に来日
5月26日(日)
午前、千葉で安倍首相とゴルフ
午後 大相撲の千秋楽を観戦
5月27日(月)
5月に即位された天皇陛下と会見
日米首脳会談
宮中晩餐会
5月28日(火)
横須賀で護衛艦かがを視察
強襲揚陸艦ワスプに乗艦
戦没将兵追悼記念日の追悼演説
離日
今回の訪日でトランプ大統領は東京の周辺だけ廻ります。
京都や関西方面には行きません。
6月28日から大阪G20サミットが開催されるので来月にはまた日本に来られます。
28日の「かが」視察で大統領はヘリで移動し「かが」の甲板に直接、着艦します。
ヘリ用のエレベーターで下の格納庫まで降りて見学するかもしれませんが
ワスプにも立ち寄る予定なので「かが」の艦内をゆっくり廻る時間はなさそうです。
艦内写真で見る「かが」の内部
外見は航空母艦と良く似た全通甲板を備えたヘリコプター護衛艦です。
いずも型護衛艦の2番鑑で2017年3月22日に就役しました。
第4護衛隊群に属し母港は呉です。
名前ゆかりの石川県金沢港に寄港し2017年7月15日に一般公開されました。
当ブログの管理人が石川県に住んでいるので見学に行きました。
このブログの写真は全て護衛艦「かが」が金沢港に寄港したときに撮影しました。
「かが」の艦内を一般公開で見せてもらいましたが、見せても大丈夫な区画だけです。
見ることができるのは上甲板と格納庫、食堂、色々な展示物を飾った部屋、通路だけです。
艦橋の内部などの重要な区画は見ることができません。
格納庫に護衛艦「かが」と先代の航空母艦「加賀」の絵が艦内に飾られていました。
キャラクターの元ネタは艦隊これくしょん、絵師は銀時@提督さんです。
「かが」と「加賀」は全長がほぼ同じです。
艦橋が船体の右側に寄せてあります。
船体の四角い穴は乗降口です、航海に必要な物資の搬入はここから行います。
かがの一般公開ではここから中に入りました。
中に入ると広い格納庫があり、ヘリなどの搭載機はこの中に収容します。
かがのシンボルマークが飾られていました。
甲板にはヘリ用のエレベーターに乗って上がれますが、艦内の階段を上って行くこともできます。
一般公開の時は案内板があったので迷いませんでしたが、標識がなければ迷いそうな迷路でした。
ミーティングルームか食堂です。
「かが」のニックネームはホワイトベースですがガンダムが好きな人がいるのでしょう。
旗にWHITE BASEと書かれています。
通常はSH60Kを9機搭載しますが、最大14機搭載可能です。
翼を折りたたむとこんなにコンパクトになります。
第二次大戦中の空母加賀は艦載機を75機ほど積むことができました。
「かが」になって搭載機数が減ってしまったのは、現代になって艦載機の重量やサイズが増えてしまったからです。
ゼロ戦
重量:2.7トン
全長:9.1メートル
全幅:11メートル
SH60Kヘリ
重量:10.6トン
全長:19.8メートル
全幅:16.4メートル
全幅:3.3メートル(ローター折り畳み)
F-35B
重量:27トン
全長:15.6メートル
全幅:10.7メートル
「かが」が空母化したときに搭載できる艦載機はF-35Bで10機程度でしょう。
かがとワスプの比較
大統領は28日に「かが」と「ワスプ」に立ち寄ります。
そこで「かが」と「ワスプ」の簡単な比較をしてみます。
強襲揚陸鑑「ワスプ」
全長:257.3m
満載排水量:40,650トン
護衛艦「かが」
全長:248m
満載排水量:26,000トン
「ワスプ」は「かが」より一回り大きなサイズです。
「ワスプ」では元々、垂直離着陸機のハリアーⅡを運用していましたが
最近になって新型のF-35Bに切り替えました。
28日にはF-35Bを乗せて横須賀に立ち寄ります。
護衛艦かがは空母化されるのか
護衛艦「かが」は空母化されます。
護衛艦「いずも」と護衛艦「かが」は(いずも型)同型艦です。
平成30年12月18日に中期防衛力整備計画で閣議決定されました。
STOVL機の運用が可能となるよう検討の上、
海上自衛隊の多機能のヘリコプター搭載護衛艦(「いずも」型)の改修を行う。
垂直離着陸機F-35Bを購入する理由
護衛艦「かが」は日本最大の護衛艦ですが、アメリカの空母と比べると全長が短く、
航空機を射出するカタパルトも装備していないため垂直離着陸機でないと発艦できません。
そこでアメリカからF-35Bを購入して「いずも」と「かが」で運用することにしました。
視察する艦が「かが」になった理由
トランプ大統領が横須賀で「いずも」ではなく「かが」を視察します。
「いずも」の母港は横須賀、「かが」の母港は呉です。
ところがトランプ大統領の来日中に「いずも」は不在です。
護衛艦いずもはインド洋に派遣されていて日仏豪米4カ国の海軍と共同訓練中です。
そこで呉から横須賀に「かが」を回してトランプ大統領に視察してもらうことにしました。
護衛艦かがを視察する狙い
2期目の大統領選挙を控えるトランプ大統領にとって、国内向けには日本から大量のF-35Bを購入してもらえる成果のアピール
米中貿易戦争が激しさを増す中で6月の大阪G20サミットで米中首脳会談を控えており、
日米の緊密な連携をアピールしたい思惑がありそうです。