発酵食品とは、微生物の働きで人間にとって有益な食べ物へと変化したのもです。
目にはみえない微生物が出す成分が素材を美味しくしてくれます。
保存性と栄養価を高めてくれて、免疫力が上がるなどの様々な機能性が高まります。
このように教えてくれたのは発酵に関わる微生物の機能や発酵食品に関して研究をされている東京農業大学醸造学科の前橋健二先生です。
普段なにげに並んでいる味噌や納豆やつけものですが、普段から親しみのある食べ物、日本全国ではさまざまな発酵食品が根付いている事に気が付きます。
夏バテ対策の食べ物
暑い夏の時期には夏バテや夏太りや熱中症などが発症しやすく、健康維持が本当に大変です。
そんな悩みを解消してくれる発酵食品を全国から集めてみました。
特に漬物は日本全国には600種類もあると言われています。
塩や酒かすなど漬け床や漬け込む野菜も地方によっては地域性が濃くなり、また漬け込む家庭によっても味が違います。
ちなみに塩で漬け込むのは京都の「すぐき漬け」
酒かすで漬け込むのは「奈良漬け」
福島県では「三五八漬け」
静岡県では美味しいわさびを「わさび漬け」にしています。
どれも有名な特産物です。
美肌効果
最近は腸内をキレイにすると体調が良くなるとか、肌がきれいになると言われています。
なんと漬物の製造過程では乳酸菌が関わっている事がわかりました。
この乳酸菌が腸内をキレイにしてくれるという働きがあります。
腸内細菌が整うと、体調も良くなり、美肌へと変わります。
さらに、腸の中では人間が消化できない成分を微生物が消化しているので、野菜を漬物にしてから食べる事で、食物繊維の吸収も良くなるというわけです。
他に美肌になるとされている食べ物には「なれずし」があります。
その昔豊富にとれた魚を保存するために生まれた生活の知恵、発酵食品といえるでしょう。
他のなれずしの種類には
千葉県の「イワシのくさりずし」
石川県では「かぶらずし」と行って塩麹漬けのぶりを野菜のかぶに挟み、米麹と一緒に漬け込みます。
滋賀県の琵琶湖では「ふなずし」と言ってご飯と発酵させます。
三重県では「サバのなれずし」と言って塩でシメたサバをご飯と保存します。
魚介を米飯に混ぜて重しをしておく、この状態で保存しておくと米飯が乳酸菌などの微生物で酸っぱくなります。
この酸っぱいのおかげで保存性が高まります。
さらに魚のタンパク質がアミノ酸に変わって旨味が倍増するのです。
酸っぱいご飯ですが、酢飯や寿司のルーツになったとも言われています。
疲労回復や血糖値を下げる効果が
酢に含まれる酢酸には魚のカルシウムを吸収しやすくし、酵素の働きを活性化する作用があるのです。
酢酸には疲労回復やリラックス効果、血糖値を下げる効果が有ります。
ビタミン群も豊富ですので、この時期には是非食べて欲しいですね。
夏の日差しを浴びた日焼けや肌あれ対策にも効果があると言われています。
珍しい発酵食品も
免疫力アップやリラックス効果の高い「発酵茶」というものがあります。
これは室町時代からのまれている富山県の「バタバタ茶」
高知県の「碁石茶」茶葉を発酵させています。
徳島県の「阿波番茶」などが有名です。
疲れた時は飲む点滴で夏バテ対策
おすすめしたいのが発酵茶や甘酒です。
甘酒は冬の飲み物だと思っている方は多いと思いますが、実は俳句の世界で甘酒は夏の季語となっているのです。
発酵料理研究家の舘野真知子さんによると、東京都のべったら漬けのように甘酒を漬け床にする地域もありますが、この甘酒の効果は夏にピッタリです。
甘酒は飲む点滴とも言われるほどで、ビタミンが豊富で栄養価が高く夏バテ対策にはもってこいの飲み物なのです。
植物繊維も多くふくまれているのでお通じも良くなります。
疲れた時に飲んで料理酒の代わりにお料理に加えてみてはいかがでしょうか。
カレーライスに甘酒を入れるとお肉も柔らかくなりますし、旨味成分のアミノ酸を含んでいるので、味がまろやかになりコクが出ていつものカレーが一層美味しくなります。
抗酸化物質でデトックス効果も
発酵食品には抗酸化物質が含まれています。
この抗酸化物質には身体にたまっている老廃物を外に排出するデトックス効果と肌のターンオーバーを活性化させる働きがあります。
まさにアンチエイジングにピッタリのスーパーフードと言えるでしょう。
壺酢にも美肌効果が
なお、同じ発酵食品の酢には免疫を活性化させたり血糖値を整える作用があります。
鹿児島県には昔ながらの手作り米酢「壺酢」があります。
最近の酢の製造方法において、酢はアルコールに酢酸酢を加えて発酵をさせています。
ところが、昔ながらの手作りの壺酢は米に麹を入れて放置している間に酢になっているというとても原始的な手法で造られています。
壺酢には血圧を下げたり美肌効果などの効能があります。
この壺酢を造っている鹿児島県はかつお節でも有名です。
湿気の高い日本において、かつお節のようにカビのちからを利用した発酵食品も沢山あります。
島国である日本ではあちこちの漁港で漁をした後の保存食として鰹節やなれずしばかりでなくこの他にも魚介系の発酵食品が沢山あります。
北海道では鮭の肝臓の塩辛「めふん」
秋田県では「めふん」と呼ばれるハタハタの魚醤油で「しょっつる」
神奈川県にはマグロの内蔵の塩辛で「マグロの酒盗」
佐賀県では郷土料理の一つで、干潟のカニをすりつぶした「カニのがん漬け」
北海道の「めふん」ですが、ストレス解消や貧血予防などにも効果があると言われているビタミンB12や鉄分が多く含まれています。
秋田のしょっつるという魚醤には魚と塩だけで出来ています。
動物性タンパク質をふくんでいるので旨味がたっぷりです。
更に栄養価も高く至れり尽せりです。
夏バテ対策食べ物のまとめ
東京都の伊豆諸島の名物とされている「くさや」を漬け込むくさや汁は長年うけつがれてきたものを代々使い続けているといいます。
ここには沢山の微生物がいるとされています。
その微生物のおかげでくさやは腐らないのです、何十年も受け継がれているものが腐らないなんて本当不思議ですね。
まだまだある発酵食品です。
いつも身近にある発酵食品、夏バテや熱中症にかからないように発酵食品を上手に食べて暑い夏を元気で過ごしてくださいませ。
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